
このたび、宝島社「GLOW(グロー)」ムック本『ひとり温泉のすすめ』に、絹の湯 久惠屋旅館を掲載していただきました。誌面に当館の名前を見つけたときは、驚きとともに、胸の奥がふわりと温かくなるような気持ちになりました。長く旅館を営んでおりますと、日々の小さな積み重ねが、思いがけない形でどこかに届くことがあるのだと、しみじみ感じます。
ムック本は、ひとつのテーマに沿って丁寧に作られる“読み応えのある一冊”です。今回の『ひとり温泉のすすめ』のテーマは「大人の女性が心地よく過ごせる場所」。その中に当館の名前が並んでいるのを見て、静かな山あいで営む小さな宿にも、そっと光を当てていただけたような気がいたしました。
誌面では、源泉「絹の湯」のとろりとした肌ざわりや、藤岡市の自然がもたらす穏やかな空気、そして館内に流れるゆったりとした時間について紹介していただいています。ページを読みながら、「そう、まさにこんなふうに過ごしていただけたら」という気持ちが自然と湧いてきて、言葉のひとつひとつがとてもありがたく感じられました。
藤岡の山あいは、季節の移ろいがはっきりとしていて、春は山肌が淡い色に染まり、夏は緑が深く、秋は空気が澄んで景色がくっきりと浮かび上がり、冬は静けさの中に凛とした美しさがあります。その中で過ごす時間は、訪れる方の心を自然とゆるめてくれるように思います。今回の掲載を通して、この土地のやわらかな魅力が、まだ知らない方にもそっと届いたら嬉しいものです。
旅館という場所は、特別なことをしなくても、ただそこに流れる時間そのものが、訪れる方の心を整えてくれるような存在でありたいと、いつも思っています。華やかさよりも、深呼吸したくなるような素朴な空気を大切にしてきました。今回の掲載は、その想いを改めて確かめるような出来事でもありました。
これからも、季節の移ろいを感じながら、訪れる方が「また帰ってきたい」と思えるような宿であり続けたいと思っています。お料理も、お部屋も、過ごし方のご提案も、小さな工夫を積み重ねながら、より心地よい時間をお届けできるよう努めてまいります。今回の掲載が、新しいご縁を結ぶきっかけとなり、藤岡の山あいにあるこの小さな宿を知っていただく一歩になれば、こんなに嬉しいことはありません。
